月の法善寺横丁
1955年(昭和30年)公開
映画「夫婦善哉」

主演の森繁久彌が演じる
柳吉の名セリフ
「頼りにしてまっせ」は
当時、流行語になるほどだった。
そして作詞家の十二村晢は
二つの小説からヒントを得て
名曲を生む事になる
一つは「夫婦善哉」
織田作之助
1913-1947

そしてもう一冊は
「包丁」
丹羽文雄
1904-2005

出来上がった曲の題名は
「月の法善寺横丁」

昭和35年(1960年)に
東芝から発売されたこの曲は
残念にも冷遇されていた。
東芝がポップス系の強い
レコード会社であった上
”大阪ものは売れない”
というジンクスがあり
初回出荷は僅か2,500枚
まずは譜面でご紹介
作詞:十二村晢
作曲:飯田景応
歌 :藤島 桓夫

大阪出身の藤島は
浪花演歌ならと
強い自負を持っていた
彼は自身のショーで
この「月の法善寺横丁」を歌う
最初のコーラスが終わり
間奏のセリフをよどみない
大阪弁で語り始める
こいさんが わてを
初めて法善寺へつれてきて
くれはったのは
藤よ志に奉公に
上がった晩やった
はよう立派な板場はんに
なりいや言うて
長い事、水掛不動さんに
お願いしてくれはりましたなあ
あの晩からわては
わては、こいさんが
好きになりました。
藤島 桓夫の語り口に
場内は異常などよめきが起こった
レコードは大阪から火がつき
瞬く間に全国に広がり
藤島の大ヒット曲となった
浪花歌手の底力である

YouTubeの動画です
今回はこの辺で